2008年11月11日火曜日

Que tal?? Guilas.

皆さん、こんにちは。前回の続きです。
頂いた質問項目の4~5について、今回は回答していきますね。

<コスタリカの学校について>
コスタリカでは、幼稚園と小学校(1~6年生)は一つの施設にあります。

同様に、中学校と高等学校も一つの施設になっていて、一般に「コレヒオ」
と呼ばれています。ちなみに7年生から12年生、といった風に学年分けされています。
コレヒオは義務教育には入っていませんが、小学校卒業者の半数以上はそのままコレヒオに入学します。
その後は大学進学か就職となります。
小学校の授業はひとコマ45分、ふたコマ毎に休憩が入り、その間は自由時間。

皆好きなように過ごしています。始業時間は朝の7時、日本と比べるとかなり早いですね。
そのため、コスタリカの小学校では朝食が出ます。もちろん昼食も。











写真は私が活動している小学校の生徒達。
子ども達はみな制服にちょっとフォーマルな靴を履いて登校してきます。

こちらでは、スニーカーに私服、といった格好を許可している学校は非常に少ないです。
公立学校にはそれぞれ指定の制服があって、靴も決まっています。
制服の「基本形」は、男子は長ズボン、襟付きのシャツもしくはポロシャツ、
女子は長ズボンかスカート、上は男子と同じ、ですが、そのデザインは結構自由。
同じ長ズボンでもタイト(ちょっとスキニーっぽい感じ)なものやブーツカット風、ワイドパンツ風、
といったようにさまざま。制服を着て「可愛く見える事」は、生徒達だけではなく、
学校側にとっても重要な関心事なのです。
さらに続けて、カバンは自由。装飾品に関しても自由。

中南米の国では、女の子は生まれた直後にピアスの穴を開けます。
まだ赤ちゃんの頃からオシャレをするのです。
そんな訳で、ピアス・指輪・ブレス・ネックレス等は全て自由。

みんな結構ジャラジャラさせています。こういうところはかなり日本と違いますね。

掃除に関しては、用務員さんが校内清掃を担当しているので、
子ども達自身は掃除をしません。それどころか、そこら中にゴミを捨てて掃除を妨害。
自分達で掃除をしないので、散らばったゴミを拾うのがどれだけ大変な事か、
を学んでいないように思います。











左の写真は防災授業中のひとコマ。災害時に必要となるもの、を商店で捜索中。右の写真の子は6年生。この日はTシャツで登校。アリです。

コスタリカの学校は中規模以上になると2部制になります。ひとクラスを午前・午後の2チームに分け、午前チームは朝7時登校、午後チームは11時半(日によってまちまち)に登校、その後まずは昼ごはん、といった感じになっています。午前チームは週に3日午前登校、あとの2日は午後に登校、午後チームは週に3日午後登校、あとの2日は午前登校、という風に時間割を組まれています。なぜこうなるのかというと、先生の数が少ないから、というのが主な理由のようです。一人の先生が一つの学年を持ち、生徒を半分割する事によって人員不足を解消しているのです。例えば一学年に60人いたとしても、30人クラスを二つ作って午前午後に分ければ、一人の先生でも担任できる訳です。

<校則について>

日本の学校にはきっちりとした「校則」というものがあり、色々と細かく禁止事項が決められていたりしますが、コスタリカの公立学校には目立った「校則」はありません。
例えば、「買い食い」。皆さんが小学生だった頃、休み時間に駄菓子を買って食べる、といった事は許可されていましたか?恐らく、「ダメ!買い食い禁止!」だったと思いますが、ここではそんなの「当たり前」です。休み時間になればほとんどの子ども達が学校の前の駄菓子屋(どこの学校の近くにもあります)に行ってお菓子を購入。ムシャムシャ食べます。さらに驚くべきことには、飴やガムを食べながら授業を受けている子までいるのです。先生によっては「授業中は禁止」という方もいますが、OKな人はOK。ノートをとりながら飴をペロリ、フーセンガムをプゥー。たまに先生までお菓子をムシャムシャ。何でもありです。
「遅刻」もこちらでは大した事ないリスト上位項目です。子どもの頃から培った「遅れてもオッケー」な感覚は大人になっても改善されず、結果仕事の場でも遅刻者続出。会議は予定時刻の30分後に開始されたら「今日は皆早かったねー」と驚きあうぐらい。基本的に1時間とかは平気で遅れます。困ったものですね。

皆さんはこんな学校生活、どう思いますか?
オシャレに可愛く制服を着こなし、少々の遅刻は問題なし、一日のトータル課業時間も日本よりずっと短く、掃除もない、うるさい校則もない、自由で楽しい学校生活だなぁ!と思いますか?

コスタリカには、日本の小学校では考えられない「あるシステム」があります。
それは、試験による進級制度です。

学年末の進級試験にパス出来なかった生徒は、たとえ1年生であろうが容赦なく「落第」です。翌年ももう一度「1年生」をやらなければならないのです。
このシステムの恐ろしいところは、「点数」によって否応なく結果を出される部分、それと、指導する側にある教員達の意識問題にあります。
以前、ある先生が私に言ったのは、こういう言葉でした。
「出来が悪くって、試験にパス出来ない子はしょうがないのよ。何度でも同じ学年をやればいい。そこまで細かく見てられるほど私には時間がないの。(進級できないのは)その子の責任なんだから。」

さて、想像してみて下さい。

試験をパス出来ない=出来が悪い、と考える先生が貴方の担任だったら、貴方は十分な教科指導を受けられるでしょうか?どうしても分からない問題があって、貴方がそこでつまづいている時に、「出来が悪い子だから分からないのね」と言われてしまったら?

教師の「責任」とは、一体どんなものなんでしょうね?
私は日々それを考えています。

前回のクイズの答えはまた次回・・・。 Chao!!

Yuki IDENO, Hojancha, Guanacaste, Costa rica.

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